医療用かつらの医療費控除
「医療用かつら(ウィッグ)」とは、抗がん剤治療の副作用などによって起こる脱毛や円形脱毛症など、頭髪環境に問題がある場合に一時的に着用するかつらのことを指します。
残念ながら、医療用かつらは医療費控除の対象にはなりません。
医療費控除とは、同じ生計で暮らしている家族の支払った医療費が1年間に10万円、または所得の5%を超えた場合、確定申告の際に税金の負担が軽くなる制度です。
例えば仕事でストレスが多く円形脱毛症になってしまった、あるいは、がんの治療として抗がん剤による化学療法を行っている際に副作用で抜け毛が多く医療用かつらを購入したといった場合、医療用かつらとして販売されている商品を買ったとしても、残念ながら医療用かつらは医療費控除の対象にはなりません。
医療費控除は、医師の診療を受けるために直接必要なものが対象となります。
医療用かつらは医師の診療を受けるために不可欠というものではなく、使用していなくても治療を受けることができますので、医療用かつらは医療費控除の対象に該当しないということになるのだそうです。
ロングシャギーウィッグ(医療用かつら人毛100%総手植え製)♯3
医療用かつらが医療費控除に含まれない現状
医療費控除の対象にならない医療用かつらの価格の相場は10万円から30万円程度とけっして安くはありません。
ですが、医療用かつらの大きな特徴として利用時の自然さというメリットがあります。
病気というだけでも気持ちが落ち込みがちになる上に、脱毛といった症状が現れると気持ちの良いものではありません。
医療費控除の問題は置いておいて、医療用かつらを利用すると、治療前と変わらず髪のある姿でいることができます。
気持ちもある程度落ち着きますし、自然な姿であれば人目を気にする必要もありません。
もちろん病気などのために敏感になっている肌に負担の少ない素材を使用するなどの配慮もされていますので、医療用かつらは大きな安心のもとに利用されています。
アートネイチャー、アデランス、スヴェンソン、東京義髪整形などの大手かつらメーカーでは、抗がん剤治療の副作用などが原因で脱毛が起こってしまった女性に対して「支援割引」を設けるなど、医療用かつらが医療費控除に含まれない現状をカバーしています。
中には性別を問わず、「支援割引」、「医療割引」と称して通常の円形脱毛症などに対しても割引を行うなど、幅広いサポートを行っている会社もあります。
医療用かつらの医療費控除以外の支援
医療用かつらに医療費控除がないということに関しては、さまざまな意見がありますが、現実の支援として『夏目雅子ひまわり基金』という無料レンタル制度があります。
急性骨髄性白血病のために若くして亡くなった女優の夏目雅子さんは、同じ病気で苦しむ患者さんを応援したいという想いを抱いていたそうです。
脱毛を恐れて積極的な治療を行わない患者さんの闘病生活、社会復帰を支援すべく、夏目さんの母である小達スエさんらが1993年12月、『夏目雅子ひまわり基金』を設立したのです。
医療費控除の対象とならない医療用かつらを無料でレンタルすることができると、大きな負担軽減となりますね。
ほかにも年単位のリース契約や低価格の医療用かつらを販売するメーカーもありますが、髪質は個人によって違いますので即納されるわけではなく、通常は申し込みから医療用かつらの入手まで1ヶ月から2ヶ月ほどを要するといわれています。
医療用かつらが医療費控除に含まれないために、対象治療が必要な方の大きな負担になっているということが現実です。
大人用紙おむつや義歯などが医療費控除に含まれるのに医療用かつらは医療費控除に含まれないということに、疑問の声も上がっています。
